#食べる
人をつなぎ、支え合うお菓子 つのつのまんまる
2021.09.13
ひとときのティータイムや15時のおやつ、お菓子や甘いものは私たちの気持ちを癒してくれます。また誕生日をはじめ、祝いごと、お中元やお歳暮ではお菓子を選ぶこともしばしば。おいしいだけではなく、私たちの気持ちを明るくし、人々を笑顔にしてくれるお菓子たち。そんなお菓子をつくる人たちが都農町にはいます。
口蹄疫からの復興。恩返しのお菓子
都農町でお菓子の製造・販売を行う「つのつのまんまる」は2013年に設立されました。都農町の賑わいの中心地である「道の駅つの」にて製造したお菓子を販売しています。その人気は町内だけでなく、町外からもお菓子を求めて買いに来る人々もいるのだそう。
今回はそんな、つのつのまんまるの代表を務める森川真由美さんに話をうかがいました。

つのつのまんまるの代表を務める森川真由美さん
つのつのまんまるの設立の歴史をうかがうと、そのきっかけは2010年にまで遡ります。

当時、宮崎県では口蹄疫が猛威を奮っていました。県全体で29万7,808頭もの家畜が殺処分され都農町では、1万6,641頭もの家畜が殺処分されました。多くの畜産農家が被害にあうなか、森川さんも当時飼っていた21頭の和牛を失いました。悲しみに暮れていた森川さんの支えとなっていたのは日本全国から届く励ましの手紙の数々。手を差し伸べてくれる人々の善意に心が救われたといいます。

そして2013年7月31日、口蹄疫からの復興のシンボル道の駅つのがオープン。「この場所を起点にして都農町に活気を取り戻したい」という願いに触発され、「全国からいただいた支援に対して、何かできることはないか」と森川さんは道の駅に併設された加工室でお菓子をつくることを決意。JA尾鈴都農女性部に「6次産業化を勉強する会」を立ち上げ口蹄疫で牛を失った畜産農家を含む都農女性部員で、つのつのまんまるは結成されました。
築いたつながりが出発点
お菓子の原料には森川さんのこだわりがあります。
たとえば小麦粉ではなく、米粉を使った、ふんわりとした食感ともちもちの弾力が味わえるシフォンケーキ。国内でも有数な米の産地である宮城県産の米粉が使われています。
こちらは森川さんが所属するJA尾鈴女性部の活動で、震災後、宮城県のJAいしのまきを訪れたことをきっかけに誕生しました。東日本大震災からの復興を目指し、支え合って前へと進もうとする石巻の人々に「自分たちに何かできることはないか」と思い立ち、考案されたものです。「口蹄疫と大震災、形は違えど、「絆」を大切にしたい」と語る森川さん。口蹄疫の際、たくさんの方々に助けられたからこそ、同じように悩む人々寄り添いたいという気持ちがあります。

シフォンケーキのほかにも宮崎県の郷土菓子のふくれ菓子「福来る」や、ゼリーを販売しています。これらの商品もすべて森川さんたちが築いた関わりのなかで生まれたもの。
さらに店頭に置くお菓子の数は、できる限り売り切れる分だけをつくるようにしています。
JA女性部の活動「SDGs(持続可能な開発目標)」を念頭に、食品ロスの問題に取り組む姿がうかがえます。
絆を忘れず。これからも支え合うお菓子づくり
活動から今年で8年目を迎えるつのつのまんまる 。これまでの活動を「ひたすら駆け抜けてきた8年間でした」と振り返ります。

口蹄疫というピンチをみんなで支えあい乗り越えてきた8年。都農町は活気を取り戻し、シフォンケーキの米粉を通じて東北ともつながっています。活動から10年目の節目に向けて動き出した今、新型コロナウイルス感染症という脅威に、「コロナで身動きが取りづらい今だからこそ、立ち止まって、これまでを振り返りながら活動を続けて行きたいです」とポジティブに未来を見据えます。

今後はさらに石巻の米粉を使ったお菓子や、都農町の農産物を使ったお菓子をつくっていきたいと語る森川さん。お菓子づくりを通してつながった人々との「絆」を原動力に、再びピンチをチャンスに変えていく。これまでの8年間と変わらず、つのつのまんまるは今日もお菓子をつくり続けます。
【つのつのまんまる】
TEL:080−5250−4350
※お菓子は道の駅つのにて販売しております。
●道の駅 つの
〒889-1201 宮崎県児湯郡都農町川北5129
営業時間:9:00〜18:00
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