#仕事
耕すように「なりわい」をつくっていく
2022.04.08
土地と結びついた暮らし方、働き方。何か大きなことを追わなくても、身の回りにある小さなことに気づき、それに目を向けていくほうが自分の理想とする生活へ近づくのかもしれない。毎日小さな試みを重ね、経験として自分の糧にしていくと、「できること」「したいこと」が自ずと増えてくる。この記事の主人公である大喜多久司さんに初めて会ったとき、そんな印象を抱きました。「土を耕すように暮らし、働く」。そんな言葉を思い起こさせる大喜多さんのお話。
農業未経験からはじめたハーブ栽培
「ここ、いい場所見つけちゃったなあと思って。開けているから景色もいいんですよ」。
国道10号線と海のあいだ、田園地帯の一角にある大喜多久司さんの住まい。ジブリ映画のような林のトンネルを抜けた先にある平屋から見える風景は、日の傾く時間によってさまざまな姿を見せてくれます。庭に設置されたビニールハウスでは、農薬を使わずに大喜多さんの手によって一つ一つ丁寧にハーブが育てられています。
「カマキリの卵やてんとう虫は、春になったら害虫を退治してくれるから大事な仲間」。水やりをしつつハーブの様子をくまなく見ていました。
国道10号線と海のあいだ、田園地帯の一角にある大喜多久司さんの住まい。ジブリ映画のような林のトンネルを抜けた先にある平屋から見える風景は、日の傾く時間によってさまざまな姿を見せてくれます。庭に設置されたビニールハウスでは、農薬を使わずに大喜多さんの手によって一つ一つ丁寧にハーブが育てられています。
「カマキリの卵やてんとう虫は、春になったら害虫を退治してくれるから大事な仲間」。水やりをしつつハーブの様子をくまなく見ていました。
大喜多さんは2018年に香川県から都農町へ移住してきました。移住の目的はサーフィン。スノーボードやサーフィンをするため世界各地を旅した大喜多さんにとって、何度か訪れていた都農町は理想的な環境でした。いい波を楽しみつつ、現在では「the colors farm有限会社」という農業法人を設立し、ハーブを中心とした野菜の栽培や、それらを使ったお弁当のお店を営んでいます。
都農町へやってくるまで農業は未経験。移住後、就労した先でトマトやブロッコリーの栽培を行なっているうちに農業のおもしろさに惹かれ、自分でもさまざまな野菜を試しに育てるように。「ことごとく失敗」を繰り返すなかで、バジルやパクチー、イタリアンパセリといったハーブ類の生態に興味を持つようになり、本格的に栽培をするようになりました。
都農町へやってくるまで農業は未経験。移住後、就労した先でトマトやブロッコリーの栽培を行なっているうちに農業のおもしろさに惹かれ、自分でもさまざまな野菜を試しに育てるように。「ことごとく失敗」を繰り返すなかで、バジルやパクチー、イタリアンパセリといったハーブ類の生態に興味を持つようになり、本格的に栽培をするようになりました。
良いものを摂取するより、良い生活習慣を
ハーブを栽培し販売していくにあたって、育て方から食に関することまで本やインターネット上で情報収集し試していく日々。ハーブといえば一般的には健康的、体に優しいというイメージがあり、「丁寧な暮らし」や「丁寧な食生活」という括りのなかで象徴的に扱われています。そんななか、大喜多さんは自分で学び育ていく過程で気づいたことがあるといいます。
「ある程度情報を収集していくと内容が偏ってくることがわかるんです。『何が良いか』ということも個人差がありますし。どんな本でも最終的に『バランスの良い食事』に行きつくんです。それだったら体に悪いものだけを知っておいて、なるべく摂取しないようにするだけでいいんじゃないかなって。不規則な生活、不規則な食事を変えることが一番なんじゃないか。ハーブだって、体にすごく良いからモリモリ食べましょう! というよりは何かと一緒に食べるもの、そっとそこあるものとして扱った方がいいのかなあなんて思います」。
「ある程度情報を収集していくと内容が偏ってくることがわかるんです。『何が良いか』ということも個人差がありますし。どんな本でも最終的に『バランスの良い食事』に行きつくんです。それだったら体に悪いものだけを知っておいて、なるべく摂取しないようにするだけでいいんじゃないかなって。不規則な生活、不規則な食事を変えることが一番なんじゃないか。ハーブだって、体にすごく良いからモリモリ食べましょう! というよりは何かと一緒に食べるもの、そっとそこあるものとして扱った方がいいのかなあなんて思います」。
「大きな変化ではないけれど」と前置きしつつ、自身の体験として、都農町にやってきたときは70キロあった体重が、生活習慣を改めていくだけでだんだん減っていき、太りにくくなったといいます。「体に良い」とは、まずは生活のリズムを整えていくことなのかもしれません。
食べて届ける場所づくり「Colors farm」
大喜多さんは2021年、都農神社の東側に「Colors farm」というお店をオープンさせました。育てたハーブを食べてもらいたい。そうするとハーブが身近に感じられるかもしれない。そんな思いから自分で調理したお弁当を販売しています。
メニューにはタコライスやカレー、ルーローファンなどが並び、朝どれの野菜を使ったお弁当はボリューム満点。常連もついてきて、最近では近所の病院から日替わり弁当の注文も入るように。お客さんを飽きさせないようにと、メインメニューやおかずのバリエーションも徐々に増えてきました。
メニューにはタコライスやカレー、ルーローファンなどが並び、朝どれの野菜を使ったお弁当はボリューム満点。常連もついてきて、最近では近所の病院から日替わり弁当の注文も入るように。お客さんを飽きさせないようにと、メインメニューやおかずのバリエーションも徐々に増えてきました。
店内では看板犬のウニがお出迎え。Wi-Fiが設置されているので、お弁当を待っているあいだは、ゆったりとくつろげるチェアに座りながら過ごすこともできます。コーヒーをはじめドリンクも充実しているので、一息入れるつもりでさっと寄ったり、大喜多さんと世間話をしたりとお店の使い方は自由。
「まだまだ試行錯誤しています。今度、畑を借りようと思っているんです。そこでジャガイモやタマネギを育てて、それをポテトサラダのようにおかずで使えるといいなって。ハーブ以外の野菜がいっぱいできるようになったら、ここを八百屋みたいな空間にしたいなあ」。
暮らすことと働くことが密接につながった大喜多さんのライフスタイル。そこには日々の生活を豊かにするヒントがありそうです。
【Colors farm】
〒889-1201 宮崎県児湯郡都農町川北 都農組13312
Instagram:@the_colors_farm
「まだまだ試行錯誤しています。今度、畑を借りようと思っているんです。そこでジャガイモやタマネギを育てて、それをポテトサラダのようにおかずで使えるといいなって。ハーブ以外の野菜がいっぱいできるようになったら、ここを八百屋みたいな空間にしたいなあ」。
暮らすことと働くことが密接につながった大喜多さんのライフスタイル。そこには日々の生活を豊かにするヒントがありそうです。
【Colors farm】
〒889-1201 宮崎県児湯郡都農町川北 都農組13312
Instagram:@the_colors_farm
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