#食べる
1日のはじまりはモーニング。町民集まる、癒しの喫茶
2022.03.31
のどかな春の陽気。朝から外出し、おいしいコーヒーを飲みながら仲間とおしゃべり。
最高な1日のはじまりですね。
ここ宮崎県都農町にはそんな贅沢時間を過ごせる喫茶店があります。
朝8時にお店がオープンすると、常連さんがぞくぞくと入ってきました。
開業から44年。町民から親しまれている「喫茶 TIME」にお邪魔しました。
「ここはね、癒しの喫茶なのよ〜」
お店を営むのは都農町出身の河野通昭さんと香子さんご夫婦。
朝8時から営業されていて、早い時間帯だというのにお店の駐車場は車でいっぱいです。
お客さんの目的は淹れたてのコーヒーにトースト、ハムエッグ、サラダがついたモーニングセット。
モーニングセットを食べに来られるお客さんのほとんどが定年を迎えられたシニア世代だそう。

「みなさん毎日のように来てくれるんですよ。お客さん同士がどんどん顔見知りになって、毎朝ここで一緒にモーニングを食べながらおしゃべりするのが日課です」。

取材中にちょうど来ていた常連さんは、「ここはね、ほんとに癒しの喫茶。ゆっくりコーヒー飲みながら、おしゃべりして笑ってね。こうやって元気を充電するとよ〜」と話してくださいました。
ちなみに、このモーニングセットはお昼でも夕方でも注文オッケー。
お客さんの要望によってスクランブルエッグにしたり、サンドイッチに変更したりすることもできます。
気になるお値段は、お財布にやさしいワンコイン500円。

モーニングセットのほかにも定食やスパゲティ、デザートなどメニュー豊富です。
「30年以上、値段も内容も変えていません。いつも来てくれるお客さんのことを思うと値上げできなくてね〜」。
マスターの優しい人柄とユニークな会話にみなさん癒されているようでした。
何度でも挑戦
カウンターに案内され、ふと振り返ると喫茶店にしては珍しいお座敷が。
「喫茶店に座敷ってビックリするでしょ。その話は後ほど…」。
穏やかな時間が流れる店内ですが、ここにいたるまでは大変な苦労があったようです。

お店の開業は1978年。その当時は喫茶店ブームで町内にも次々と喫茶店がオープンしていました。会社員として九州各地を飛び回っていた通昭さん。ハードな勤務によって体調を崩したことをきっかけに、前職を辞めて都農町で喫茶店をはじめることにしました。
「実は私、何も経験がなかったんです。コーヒーには砂糖を3杯ぐらい入れて飲むような人間でしたからね〜(笑)」

開業当初は多かったお客さんも徐々に減っていき、経験不足を実感したといいます。
追い打ちをかけるように、ファストフード店やコンビニ店などが発展し、喫茶店の経営は伸び悩みました。
「苦しい時期だったんですけど、思い切って平屋だったお店を二階建てに建て替えました。残ったのはこのカウンターテーブルだけです」
リニューアルをしたことで再び賑わいが戻ってきました。
「景色のいい2階席に行きたくて席が空くのを待っている人もいましたよ」。
従業員やアルバイトは交代で8名ほど。洗い物が追いつかずカウンターテーブルいっぱいに並んでいた日もあったそうです。

一時は盛り返したものの、しばらくするとまたお店にピンチが訪れます。
「また次第にお客さんが減ってきてしまって。それでもスタッフを切ることができず、赤字が続きました」。
そこで、次に考えたかのが居酒屋。
喫茶店の一角を改装してお座敷をつくり、焼き鳥を焼くために大きな換気扇を取り付けました。
「居酒屋の経営もそのときがはじめて。数年は忙しかったけどね〜、長くは続きませんでした」。
その後も喫茶店をしつつ、別の場所でスナックを経営したり、他の仕事を併用したりと挑戦の連続。
仕事だけでなく趣味のゴルフでも、県大会や九州アマチュア選手権大会に出場する腕前だったそう。
そのパワーはどこから出てくるのかたずねると、「いや〜、全然わかりません。なんでもすぐに挑戦するタイプなのかな〜」と笑顔のマスター。
10年前に思いきって営業時間を10時から朝8時に変更し、モーニングサービスをはじめた「喫茶 TIME」。
最初は寂しかった店内ですが、少しずつ口コミが広がり常連さんが増えていきました。
今ではすっかり、地域住民の憩いの場になっています。

「これからも妻と2人がんばっていきます。身体が動かなくなるまで続けるつもりです」
昭和の趣が残る店内にはとてもあたたかい時間がながれていました。


[DATA]
【喫茶 TIME】
〒889-1201 宮崎県児湯郡都農町川北1084−4
営業時間:8:00~18:30
定休日:第3日曜日 
お問い合わせ: 0983-25-2988


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