#暮らしのこと
町民の暮らしとともに歴史を刻む神社
2021.11.29
由緒正しき日向国一之宮(ひゅうがのくにいちのみや)であり、パワースポットとして県内外から人気を集めている都農神社。古くからの伝統文化が受け継がれているのはもちろんなのですが、その月限定の御朱印があったり、手水舎がリニューアルされたりと、現在進行形の魅力がたくさんあるんです。
そんな都農神社の取り組みについて、宮司の永友謙二さんにお話をうかがいました。
見どころ満載の都農神社
宮司・永友謙二さん
神武天皇がご即位される6年前に宮崎へ立ち寄った折、国土平安や海上平穏、武運長久を祈念して創建されたという都農神社。「因幡の白兎」の神話で有名な大己貴命(別名・大国主命)が、御祭神としてまつられています。

都農神社内にはさまざまな神事があり、見どころ満載です。
まず境内へ入る前に、お賽銭箱と一緒に石が置いてあります。これは石持ち神事のために設置された「神の石」で、この石を持ったまま参拝し、本殿の裏にある石納所へ納めると願いごとが叶うといわれています。
ほかにも、願いをこめて大黒様の像を撫でる「撫で大黒」は、病気平癒や商売繁盛の御利益が。因幡の白兎が由来の「撫でウサギ」は、無病息災などの御利益があるそう。

また、都農神社は景観もすばらしく、木々の並んだ広い参道が訪れた参拝客を迎えてくれます。整然とした美しい環境のなかを歩いているだけでも心が洗われますが、毎朝1時間以上かけて神職の方々が掃除をしているのだとか。長い歴史のなかで、多くの人たちが関わりながら大切にされてきた、心尽くしの場所なのです。
一歩前に進んだからこそ見えたもの
とっても気になる、都農神社の珍しい取り組みについてもお話をうかがいました。
まず、その月限定の御朱印があるというのが気になります。取材した11月の限定御朱印は、美しいサザンカのイラストが描かれていました。季節ごとに変わる絵柄は、思わずコレクションしたくなります。遠方にお住まいの方は都農神社公式ホームページで手続きをすると、御朱印を郵送してもらえるそうです。
また、手水舎が先月リニューアルされたのですが、竹細工の立派な龍神が出来上がっていました。身も心も清まるようにと、境内の竹を利用してつくられたそう。
新型コロナウィルスの感染予防でひしゃくを撤去することになり、そこからこのような新しい形の手水舎が生まれたのです。
この取り組みについて、永友さんは「コロナ禍だから何もしない、何もできないではなくて、コロナ禍だからこそ一歩前に進んでいく。一歩前に進んだことで目線が変わって、見えていないものも見えてくる」とおっしゃっていました。
ちなみに月限定御朱印のイラストも、手水舎の龍神も、都農神社の職員のみなさんが製作されているんです。都農神社を盛り上げようという情熱が伝わってきます。
心のよりどころになる神社へ
永友さんが語る神社への思いは、都農町の人々に対する思いへとつながっていきます。
「いろんな方々と助け合っていく神社にしていこうと思っています。都農町の子どもたちに、地域の伝統文化に触れてもらうことはもちろん、神社での思い出をつくってほしいんです。子どもたちは大きくなれば都会のほうへ出て行ってしまいます。そういったときに、そういえば神社でこういうことをしたなと、故郷に思いを馳せてもらえたら」。
この日は、小学生の子どもたちが境内のあちこちで風景をスケッチしていて、私が近くを通ると元気な声であいさつしてくれました。子どもたちの学びの場であるとともに、町民の交流の場にもなっているということがわかり、温かな気持ちになりました。

本殿の入口には、都農中学校の美術部のみなさんが製作した大絵馬もありました。
7年前から毎年、その年の干支を描いているそうで、十二支がそろうのが待ち遠しいと永友さんはやさしい笑顔で語っていました。
これからも都農神社は、町の人々に大切にされながら、悠久の歴史を刻んでいくことでしょう。
都農神社 社務所
〒889-1201 宮崎県児湯郡都農町大字川北13294番地
TEL : (0983)25-3256
FAX : (0983)25-0617
http://wwwl.bbiq.jp/tunojinjya
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