#食べる
農業はクリエイティブな自営業
2021.10.29
島田梅園さんの名前をはじめて拝見したのは、「とうがらしジャム」という商品のラベルでした。今までに見たことのない種類のジャムでしたが、トーストに塗って食べてみるとクセになるおいしさでびっくり。すぐに食べ切ってしまいました。しかし、唐辛子のジャムをつくっているのが梅園、というのがとても気になります。いったいどんな人たちが経営されているのでしょうか?
めずらしい野菜を育てるワケ
茨城県出身の善之さんと、宮崎県出身の泰子さん。二人は結婚後、都農町で暮らしはじめました。そして泰子さんの父親が同町で梅園を営んでいたことから、善之さんは見習いとして梅園の手伝いに入りました。
そんな島田梅園さんが取材時に販売していたのは、「福耳とうがらし」や「ホットパラソル」といったあまり聞き慣れない名前の野菜。梅園のちょっとした空きスペースで栽培をはじめたのでしょうか?とうかがったところ、善之さんの答えは「いえ、実は空き地だらけだったんです」という意外なものでした。実際に畑を見せていただくと、昔は梅の木が生えていたという区画も空き地になっていました。
生梅を市場のみに売って生計を立てていくのが、難しい現状。善之さんは梅園の経営の厳しさを目の当たりにし、東京でしていた仕事を在宅ワークとして再開したのだそう。同時に、露地野菜の栽培を独学で研究し、農園にとっての新しい道を拓いていきました。
そんな島田梅園さんが取材時に販売していたのは、「福耳とうがらし」や「ホットパラソル」といったあまり聞き慣れない名前の野菜。梅園のちょっとした空きスペースで栽培をはじめたのでしょうか?とうかがったところ、善之さんの答えは「いえ、実は空き地だらけだったんです」という意外なものでした。実際に畑を見せていただくと、昔は梅の木が生えていたという区画も空き地になっていました。
生梅を市場のみに売って生計を立てていくのが、難しい現状。善之さんは梅園の経営の厳しさを目の当たりにし、東京でしていた仕事を在宅ワークとして再開したのだそう。同時に、露地野菜の栽培を独学で研究し、農園にとっての新しい道を拓いていきました。
そういった現状を踏まえ、育てはじめたのが一風変わっためずらしい野菜でした。
「自分たちがつくりたいもの、スーパーなどで普通に売っていないものを育てよう」。
善之さんと泰子さんは、まず自分たちがつくっていて楽しいと思える野菜を選んでいるのだそう。あまりメジャーではない野菜、加えて露地栽培・有機栽培で育てているので、日々試行錯誤しながらの農業。そこを難しさだととらえず楽しみながら取り組む姿勢に、農業とはクリエイティブな仕事なのだなとあらためて気づかされました。
「自分たちがつくりたいもの、スーパーなどで普通に売っていないものを育てよう」。
善之さんと泰子さんは、まず自分たちがつくっていて楽しいと思える野菜を選んでいるのだそう。あまりメジャーではない野菜、加えて露地栽培・有機栽培で育てているので、日々試行錯誤しながらの農業。そこを難しさだととらえず楽しみながら取り組む姿勢に、農業とはクリエイティブな仕事なのだなとあらためて気づかされました。
農業に新しいイメージを
現在、二人は兼業農家として島田梅園を営んでいます。
「農業だけ、と考えなくていいと思うんです。兼業という選択肢もある。若い人たちが農業にチャレンジしたくなるようなイメージをつくりたいし、夢を実現できる仕事なんだと思ってもらいたい」。
善之さんがそう語るのは、後継者不足、手付かずの農地など、農業が抱える課題と真剣に向き合っているからこそでした。新しく農家をはじめるとなると、所有する農地の面積が決まっていたり、設備を整えるための初期投資にとにかく費用がかかってしまいます。そういったシステムから見つめ直し、若い人が新規参入しやすい環境をつくっていくことが今後重要になってくるのではないでしょうか。
「農業だけ、と考えなくていいと思うんです。兼業という選択肢もある。若い人たちが農業にチャレンジしたくなるようなイメージをつくりたいし、夢を実現できる仕事なんだと思ってもらいたい」。
善之さんがそう語るのは、後継者不足、手付かずの農地など、農業が抱える課題と真剣に向き合っているからこそでした。新しく農家をはじめるとなると、所有する農地の面積が決まっていたり、設備を整えるための初期投資にとにかく費用がかかってしまいます。そういったシステムから見つめ直し、若い人が新規参入しやすい環境をつくっていくことが今後重要になってくるのではないでしょうか。
新しいイメージをつくるという点で、島田梅園さんが製造している加工品のパッケージにも注目です。今季は梅のコンフィチュールを販売されていますが、瓶に貼られたラベルのデザインは洗練されていて、思わず手に取りたくなります。私たち消費者が一目で惹かれてしまうようなパッケージで販売することも、幅広い層にアピールするポイントとなっています。
人が集う農園へ
そして、島田梅園さんはリニューアルに向けて準備中なのだそう。取材時にお邪魔したお洒落なスペースがあったのですが、そこはなんと倉庫のなかに建てられた施設。白く塗られた壁や、木でできた窓枠など、とても素敵な空間になっていました。
「商品を販売したり、カフェ利用できたり、人が集う場所になればと思って準備を進めています。やっぱり農園に来てもらって、この景色を見てもらえたらというのが一番にあるので。子どもたちが農園で遊んでくれたりして、そこから野菜や、農業に興味を持ってもらえたら嬉しいですね」。
お客さんとの交流を大切にしている二人。福岡市で開催される「博多ファーマーズマーケット」にも、宮崎県から唯一出店しています。実際にお客さんと話しながら、自分たちのつくった商品を販売することが、なによりの喜びだと語っていました。
「商品を販売したり、カフェ利用できたり、人が集う場所になればと思って準備を進めています。やっぱり農園に来てもらって、この景色を見てもらえたらというのが一番にあるので。子どもたちが農園で遊んでくれたりして、そこから野菜や、農業に興味を持ってもらえたら嬉しいですね」。
お客さんとの交流を大切にしている二人。福岡市で開催される「博多ファーマーズマーケット」にも、宮崎県から唯一出店しています。実際にお客さんと話しながら、自分たちのつくった商品を販売することが、なによりの喜びだと語っていました。
最後に、倉庫のほうで干している綿花を見せてもらいました。茎についたままの綿花が逆さまになって所狭しと並んでいます。ワークショップで使う予定なのだそうですが、なんとこの綿花が、クリスマスツリーやクリスマスリースになるのだとか。
「こんな風に綿花が生えているんだ、というのを知るだけでもおもしろいですよね。これからは野菜だけでなく、食べられない作物なども育ててみようと思っています」。
リースになるツルや、装飾のための松ぼっくりも準備されたという泰子さん。楽しそうに語る姿を見ていると、こちらまでウキウキしてきました。
農業に新しいイメージを、という島田梅園さんの想いが多くの人々に伝わる日は、そう遠くないかも知れません。
【島田梅園】
〒889-1201 宮崎県児湯郡都農町大字川北1911-1
Instagram @shimadabaien
「こんな風に綿花が生えているんだ、というのを知るだけでもおもしろいですよね。これからは野菜だけでなく、食べられない作物なども育ててみようと思っています」。
リースになるツルや、装飾のための松ぼっくりも準備されたという泰子さん。楽しそうに語る姿を見ていると、こちらまでウキウキしてきました。
農業に新しいイメージを、という島田梅園さんの想いが多くの人々に伝わる日は、そう遠くないかも知れません。
【島田梅園】
〒889-1201 宮崎県児湯郡都農町大字川北1911-1
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