#仕事
ワクワクの体験に人は引き寄せられる。心身整う国産材バレルサウナを都農町から
2024.08.02
テクノロジーの発展とともに私たちの生活は豊かになり、仕事の中身やその働き方も10年前とは比べものにならないほど変化しました。身の回りはデジタルデバイスに囲まれ、一日中スマートフォンを眺めていることも珍しくありません。しかし、運動不足に加え、過剰な情報にさらされた結果、心身に不調をきたす人も多くいます。いかにリフレッシュするか、その“整い”方法としてサウナに注目が集まる昨今。そんななか2023年8月、国産材・メイドイン宮崎を強みに持つバレルサウナ製造企業が都農町で産声を上げました。
都農町発「五感に刺さるバレルサウナ」
(写真提供:Rink株式会社)
もはや心身が整うことの代名詞となったサウナ。熱い蒸気のなかでじっと汗を流し、水風呂で体を冷ます。その繰り返しで得られる心地良さに病みつきになってしまったサウナ愛好家こと「サウナー」の存在も広く知られるようになってきました。

ブームの波に乗り、温泉施設のような常設型サウナのほかに移動可能でアウトドアでも活用できるテントサウナなどその種類も増えてきています。なかでも今注目を浴びているのが「バレルサウナ」。

北欧発祥の筒状の小屋の形をしたサウナで、見た目の斬新さ、木材の温かみや優しさを感じられることから人気を得ています。

都農町を本拠地にバレルサウナの製造・販売を行うRink株式会社は「五感に刺さるバレルサウナ」をコンセプトに自社製品「Rink SAUNA」を展開しています。外観のスタイリッシュさ、サウナ越しに見える景色、木材の香りや肌触り、流れるBGM、蒸気の温度感、整ったあとに食べる「サ飯」の提案など、サウナが利用される状況を細かく考慮した製品・サービス設計が行われています。
(写真提供:Rink株式会社)
使用している木材は純国産のヒノキ。ヒノキは耐久性に優れ、その強さは築1300年を誇る法隆寺が保証済み。また、香りにリラックス作用があるだけでなく、防虫・抗菌・消臭効果を兼ね備えているためサウナとの相性が良い素材です。

「弊社のバレルサウナによって健やかさを取り戻していただけたらと思います。利用される方の五感が生き生きとする思い出に残るような体験を、サウナを通じて仕掛けていきたい」

代表取締役社長の永友健斗さんはそう語ります。
木材生産量日本一の宮崎県。6次産業化で認知向上を
東京でもマーケティング会社を営む永友さんですが、なぜRink社を設立したのでしょうか。
(代表の永友健斗さん。現在は都農町へUターンし、東京の仕事はリモートが多いという)
都農町出身の永友さんは大学進学を機に上京。それ以来10年ほど東京で生活してきました。都農へ帰省した際に、林業に関わる人々と話し、その現状を知るなかで自らのスキルを生かして故郷に貢献できることはないかと考えはじめます。

第一次産業が盛んな宮崎県ですが、とくに林業分野は木材生産量日本一が30年以上続くほど全国有数の生産地となっています。そこから派生した木材製造・加工業も盛んなため、職人たちは高い技術を身につけています。しかし、それら資源が有効に組み合わさった魅力的な製品が生まれづらい、あるいは知られていないという課題もありました。

「木材の質の良さ、加工技術の高さを、見せ方の工夫をすることで伝えられるのではと思いました。事業をはじめるなら自分が心からワクワクすることをやりたいなと。マーケティング会社ではWeb広告運用など無形のサービスが中心です。それもあり、将来的に有形の商品を持ちたいとも考えていました。地元の林業と絡めた木を使ったワクワクの体験を届けられるものは何か? と考えたとき、バレルサウナがすっぽりハマったんです」 
事業に賛同した林業者、加工業者、そして販売促進を得意とする永友さんの共同出資によりRinkは誕生。木材の調達からサウナの製造、販売まで一貫して行うことのきる6次産業化を実現したことは同社の大きな強みとなっています。
都農町をワクワクの渦の中心に
Rinkでは製造から販売にかかるすべての工程を自社で賄っているため、品質の高さを維持できるだけでなく、割高とされる国産ヒノキを使っていても総体的に価格を抑えたバレルサウナを提供することができています。

それもあり、2023年12月に販売を開始してから2024年6月の時点で約70台を販売。北は北海道から南は沖縄まで取引先は日本全国に及ぶなど短期間で成果を上げています。キャンプ場やグランピング施設のほか、個人宅や別荘などその用途は幅広いようです。

「施設によっては、バレルサウナを目的に来たというお客様が多数いるというお話も聞きます。集客ツールとして取り入れる施設もあり、それをきっかけに地域の経済が回っていけば嬉しいですね」
(同社の福盛さん(右)曰く「バレルサウナの組み立てはプラモデルを組むワクワクに似ていますね。出来上がったときの爽快感はたまりません」)
Rinkでは持続可能な森づくりとして、Rink SAUNAが1台購入されるごとに、5本分の苗木を植林する活動を進めています。さらに、都農町との官民共創型プロジェクト「TSUNORU」に採択されたことで、より地元を巻き込んだ事業が展開可能となるなどその存在感は増すばかりです。

「自分のワクワクすることを提供する。そして、お客様を通じて地域にワクワクが広がっていく。ワクワクするところに人は集まり、それが地域の力となる。Rink SAUNAを通じて都農町がそんな場所になればと思っています。まずは九州で一番の設置台数を目指し、西日本、東日本とジワジワとRink SAUNAを広げていきたいですね」
(「バスの停留所や道の駅に設置してもおもしろいでしょうね」と話すお二人)
Rinkのビジョンである「ワクワクと感動を。」を体現している永友さん、そして関わる仲間たち。次はどんな製品をつくり、サービスを仕掛けてくるのか。その期待に胸が躍ります。
【Rink株式会社】
〒889-1201
宮崎県児湯郡都農町大字川北1184-12
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