#子育て情報
1万人のまちだからできる子育て支援
2022.06.08
生活するうえで充実した子育て支援があると嬉しい。とくに、はじめてお父さんやお母さんになる人たちにとって、子育ては未知の領域。子どもが生まれる前に準備することは多い。そして、生まれてからも慣れない子育てに悩むことが多いかもしれない。でも大丈夫。都農町にはそんな不安な気持ちを受け止めてくれて支援してくれる場所があるのだから。
切れ目のない支援を
その場所とは都農町子育て世代包括支援センター。同センターは子育て世代の抱える不安や悩みに寄り添う相談機関です。妊娠・出産・子育てに至るまで切れ目のない支援を行うことが目的で、全国各地に同様のセンターが設置されています。都農町では2021年3月に健康管理センターの2階に開所しました。

子育て世代包括支援センターの特色は専属の母子保健コーディネーターが常駐していること。全国的には保健師や助産師、看護師といった専門資格を持った職員がその任に当たっています。

お母さんたちは妊娠がわかるとまず母子健康手帳の交付を受ける必要があります。同センターでは手帳の交付を行うときに母子保健コーディネーターによる面談をすることで、妊娠初期からお母さんと接点を持ち、一人ひとりの状況に応じた支援が可能となっています。

「手帳交付時にほぼ全員と顔を合わせるので、産後もスムーズに関わりが持てるんですよ。初回面談は一番大切な部分なので丁寧に行っています。その時点で抱えている悩み、その方の背景を知って必要な支援を組み立てていきますね」。

と話すのはコーディネーターの治田さん。「このカレンダーを最初にお渡ししています」と見せていただいたのは都農町子育てカレンダー。妊娠期から就学前まで、子どもの成長時期に合わせ必要な健診や町の支援が一目でわかるつくり。
このカレンダーを見ると、同センターで開催している妊婦体験・育児体験といった両親学級や、産後ケア・サポートなど、人を介した支援も手厚く行われていることがわかります。
いつでも気軽に立ち寄れる場所を目指して
「支援が手厚いことは私たちの誇りです。経験豊富な職員がいて、それぞれの視点から必要なことが導き出される。役場の福祉課とも連携体制が整っていて、お互いに共通理解を持って支援に当たっています。迅速に動けることが私たちの強みです」。

保健師の岡本さんによると、開所する1年前から支援のあり方や、センターの運営について議論を深めながら準備をしていったそう。

「相談のある人だけが来る場所にはしたくなかったんです。散歩のついでに寄ってみましたでもOK。センターでリラックスするうちに『実はこんなことが…』なんてお母さんたちの口からポロっとこぼれることもあります。こんなこと聞いてもよかったんだって、悩みの垣根をつくらずにいて欲しい」。
センターを気軽に立ち寄れる場所にしたい。そのため、当初から雰囲気づくりには気を配ったといいます。面談の際に使うテーブルは丸いちゃぶ台。壁面には季節ごとに変化するお手製の飾り。遊具や絵本もあり、さらにはお母さんが休むための布団まで準備されている。小さなことかもしれませんが、これらの工夫によって来所する側からすれば子連れでひと休みしても大丈夫、という安心感があります。

また、初回の面談をはじめ出産前の妊婦訪問や、産後の訪問ケアをすることでお互い見知った関係になり、話もしやすくなる。なにより相談することのハードルを下げることで、些細なことでも気軽に話せる間柄になり、より適切な支援を行うことができるという好循環が生まれています。

ちなみに都農町では妊婦訪問時にプレゼントがあります。中身は赤ちゃんが生まれたときにあると嬉しいものたち。なんでも、袋の用途が幅広く、便利だと評判だそうな。
人口の少なさがプラスに働く支援
最近は就学前の小さなお子さんのいる転入世帯も増えたという都農町。そんな方々にこそセンターの開催している各種講座に参加して欲しいと岡本さんはいいます。

「はじめての土地で、あまり知り合いもいないなかでの子育てって不安ですよね。とくに子どもが保育園に行くまでは、自分と同じような子育て世代を見つけるのも難しい。たとえば『すくすくベビークラブ』に参加いただけたら、ほかのお母さんたちの話を聞くことができるし、ママ友だってできるかも。講座を実施するうえで、ただ知識を伝えるだけじゃなくて、つながりを生むことも大切だなって思います」。

今お話にあった「すくすくベビークラブ」は毎月一回お子さんの身体測定やおっぱい・離乳食などの子育て上の相談ができる場。ちょっとしたお母さんたちの息抜きの時間になればと、栄養士と一緒にお菓子づくりをすることも。

ほかにも音楽療法士による親子リズム遊びの教室「のびのび教室」や、言語聴覚士による言葉の発達支援を行う「ことばの教室」など、専門家による独自性のある講座が行われています。

さまざまな視点からアプローチする手厚い支援。それが行える理由はどこにあるのでしょう。

「人口1万人のまちだからでしょうね。人口も出生数も少ないけれど、だからこそ子育て家庭と関係をつくることができて、一人ひとりに力を入れた支援ができるんです」。

いろんな技能や経験を持った人々と協力し、都農町の子育てを底上げしていく。開所から1年とまだ新しい都農町子育て世代包括支援センターですが、すでに町にとってはなくてはならない場所となっています。
助産師の治田さん(左)、看護師の橋口さん(右)
【子育て世代包括支援センター】
〒889-1201 宮崎県児湯郡都農町川北5164 健康管理センター2階 
開所日:月〜金 9時〜17時

相談窓口はこちらまで
健康管理センター 0983-25-1008
または 福祉課子育て支援係 0983-25-5714
都農町の移住に関するお問い合わせはこちらへどうぞ。
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