#仕事
ITによる情報流通で生活を変える
2021.11.05
私たちが普段何気なく食べている料理。その材料となる野菜や肉や魚は、生産する人々や漁を行う人々の手を出発点として食卓に届けられます。そうした一次産業者は産業構造や消費動向の影響を受けやすく、所得が不安定になりやすい。都農町には、そんな課題をITの技術によって解決に導く企業 株式会社デナーダがあります。
正しい情報を届け、食の川上と川下をつなぐ
株式会社デナーダはIT技術を用いたサービスの展開、システム開発、コールセンター業務を行う会社です。現在は都農町の中心部に本社オフィスを置き、IT技術を活用した最先端の仕事を行なっています。
デナーダには特徴的な2つのサービスがあります。
1つは生産品直送サービスである「CHOKSEN(チョクセン)」。宮崎県産の新鮮な魚介類を首都圏や海外の飲食店へ直送するサービスで、中間業者を挟まないことから漁業者にとって所得向上が見込め、飲食店にとっては仕入れ値を抑え、かつ新鮮な食材が手に入ります。現在は農産物、畜産物も取り扱っており、2020年よりご自宅向けサービスがはじまっています。
もう1つが、食材の品質や安全を証明する「toresa(トレサ)」。生産者情報や出荷日、加工履歴、流通経路といった消費者に届くまでの情報(トレーサビリティ)を、改ざんされることなく確認することができるサービスです。そのため、生産者にとってはブランド価値と利益を守ることにつながり、消費者は情報を信頼して食材を買うことができます。
そうした食の川上(第一次産業者)と川下(消費者)の双方をつなぎ、より良い関係を築くとともに、漁業や農業など一次産業者の所得向上に取り組むデナーダですが、創業には代表である佐々木大樹さんの原体験がありました。
デナーダには特徴的な2つのサービスがあります。
1つは生産品直送サービスである「CHOKSEN(チョクセン)」。宮崎県産の新鮮な魚介類を首都圏や海外の飲食店へ直送するサービスで、中間業者を挟まないことから漁業者にとって所得向上が見込め、飲食店にとっては仕入れ値を抑え、かつ新鮮な食材が手に入ります。現在は農産物、畜産物も取り扱っており、2020年よりご自宅向けサービスがはじまっています。
もう1つが、食材の品質や安全を証明する「toresa(トレサ)」。生産者情報や出荷日、加工履歴、流通経路といった消費者に届くまでの情報(トレーサビリティ)を、改ざんされることなく確認することができるサービスです。そのため、生産者にとってはブランド価値と利益を守ることにつながり、消費者は情報を信頼して食材を買うことができます。
そうした食の川上(第一次産業者)と川下(消費者)の双方をつなぎ、より良い関係を築くとともに、漁業や農業など一次産業者の所得向上に取り組むデナーダですが、創業には代表である佐々木大樹さんの原体験がありました。
創業のきっかけに産地偽装
佐々木大樹さんは宮崎県延岡市出身。漁師の家系で育った佐々木さんは、ほかの家庭と比べて一次産業に就いている家庭の所得の低さに気づきます。将来に不安を覚え、高校卒業後は福岡県の企業に就職。人材派遣会社で支店長を勤めていた25歳のとき、同世代のIT企業の社長に誘われたことをきっかけに上京し、秘書として働きはじめます。
「今はIT企業の代表を務めていますが、そもそも当時はITがなんたるかを知らなかったんですよ。それも所得の問題で、貧しければそういう情報に触れる機会がありません。所得格差は同時に情報や機会の格差でもあるんです」。
「今はIT企業の代表を務めていますが、そもそも当時はITがなんたるかを知らなかったんですよ。それも所得の問題で、貧しければそういう情報に触れる機会がありません。所得格差は同時に情報や機会の格差でもあるんです」。
当時は若手の起業家たちによるITベンチャーが盛んな時期でもあり、佐々木さん自身もそんな刺激的な業界で過ごしていました。
そんな日々のなか、接待や会食で飲食店を訪れるうちに産地偽装を知るのでした。
「そもそも、東京で宮崎は日本有数の水産大国であることが知られていません。そのため宮崎のおいしい魚を食べられるお店と出会ったことがありませんでした。たまたま『延岡直送』と書かれた居酒屋で食事をしたら正直おいしくなかったんですよ。店内に『〇〇丸』と船の名前が書いてあったので漁師の従兄弟に聞いてみたら、そんな船はないよって。ああ、産地偽装ってこういうふうに行われてしまうんだって知りましたね」。
この件をIT企業の仲間たちに話したところ、ビジネスとして解決できたら社会貢献だよね、ということで出資が集まることに。佐々木さんも、ずっと抱えていた漁師の生活水準の問題、東京の人たちに宮崎のおいしい魚を食べてもらいたいという思いから会社設立を決意。そうして2016年、デナーダは東京都渋谷区にて誕生しました。
そんな日々のなか、接待や会食で飲食店を訪れるうちに産地偽装を知るのでした。
「そもそも、東京で宮崎は日本有数の水産大国であることが知られていません。そのため宮崎のおいしい魚を食べられるお店と出会ったことがありませんでした。たまたま『延岡直送』と書かれた居酒屋で食事をしたら正直おいしくなかったんですよ。店内に『〇〇丸』と船の名前が書いてあったので漁師の従兄弟に聞いてみたら、そんな船はないよって。ああ、産地偽装ってこういうふうに行われてしまうんだって知りましたね」。
この件をIT企業の仲間たちに話したところ、ビジネスとして解決できたら社会貢献だよね、ということで出資が集まることに。佐々木さんも、ずっと抱えていた漁師の生活水準の問題、東京の人たちに宮崎のおいしい魚を食べてもらいたいという思いから会社設立を決意。そうして2016年、デナーダは東京都渋谷区にて誕生しました。
地元・移住に関わりなく、女性も働きやすい職場
創業以降、より良い産地の情報を得るために一時は宮崎県門川町へ、そして一次産業の振興を確実なものにするため現在の都農町へと本社を移転します。一次産業は行政と組まないと持続・成長することができないと話す佐々木さん。都農町と一緒に課題解決に取り組み、今後の新しい展開を構想しています。
デナーダでは現在バックヤード・コールセンター業務の拡大にともない、雇用の創出にも貢献しています。オフィスではたくさんの女性が働いていて、地元出身の方から移住されてきた方まで多彩な顔ぶれ。
デナーダでは現在バックヤード・コールセンター業務の拡大にともない、雇用の創出にも貢献しています。オフィスではたくさんの女性が働いていて、地元出身の方から移住されてきた方まで多彩な顔ぶれ。
2021年1月に石川県から移住した阿渡麻衣さんもその一人。阿渡さんは主にECサイトのカスタマーサポートの代行業務を行っています。運営元に代わり、お客様のさまざまな問い合わせに対応。
「入社直後は知識もなく不安でしたが、マニュアルやフォロー体制が整っていますし、対応をこなしているうちに慣れてきました。わからないことがあっても助けてくれる方々がいるのでありがたいですね。業務についてはもう大丈夫! …ではないかな(笑)」。
「入社直後は知識もなく不安でしたが、マニュアルやフォロー体制が整っていますし、対応をこなしているうちに慣れてきました。わからないことがあっても助けてくれる方々がいるのでありがたいですね。業務についてはもう大丈夫! …ではないかな(笑)」。
阿渡さんをはじめコールセンター業務に就いている方々はほとんどが未経験。それでも安心して就労できる体制の整備と、みんなが働きやすい環境づくりを行っていると話す佐々木さん。
「コミュニティのあり方って大切です。地元の人だけでなく外からやってくる人にとっても入りやすい場所かどうか。たんに雇用の場をつくりました、だけでは弱いですよね」。
今後は海外案件も見据え、英語のできる人材も採用したいと展望を語っていました。
「コミュニティのあり方って大切です。地元の人だけでなく外からやってくる人にとっても入りやすい場所かどうか。たんに雇用の場をつくりました、だけでは弱いですよね」。
今後は海外案件も見据え、英語のできる人材も採用したいと展望を語っていました。
一次産業者の課題を解決し、地域の雇用にも貢献する。ITの持つ「情報」の力によって、経済格差による機会の損失をなくす。佐々木さんをはじめデナーダの躍進はとどまるところを知りません。
【株式会社デナーダ】
〒889-1201 宮崎県児湯郡都農町大字川北1167-43
TEL:0120-927-783(FAX:0983-32-1806)
〒889-1201 宮崎県児湯郡都農町大字川北1167-43
TEL:0120-927-783(FAX:0983-32-1806)
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