#仕事#暮らしのこと
美容室から養鶏まで。都農町だからできる仕事と愉しみ方
2025.03.07

都市であろうと田舎であろうと、おもしろい毎日を過ごせるかは自分次第。その土地でないとできない仕事、働き方、生活があり、思いつきと工夫次第で可能性は無限に広がる。目指すべきは気分良く過ごせるかどうか。業種にとらわれず、マルチに活動する方が都農町にはいました。
町で唯一無二のマルチプレイヤー

(写真提供:キャンドル)
国道10号線を車で走らせていると目に入るオシャレな建物。そして、赤い「CANDLE」の文字。
屋内はどのようになっているのだろう。想像力をかき立てられ、木製の扉を開けた先には、鏡を挟むように客席が向かい合わせに並んでいました。
ここは美容室「キャンドル」。20代から70代まで、さまざまな人が訪れては思い思いのヘアスタイルをオーダーしていきます。カラーやパーマなど、その要望に応え、魅力的に仕立て上げる。帰るころにはお客様の顔はパッと明るくなる。
屋内はどのようになっているのだろう。想像力をかき立てられ、木製の扉を開けた先には、鏡を挟むように客席が向かい合わせに並んでいました。
ここは美容室「キャンドル」。20代から70代まで、さまざまな人が訪れては思い思いのヘアスタイルをオーダーしていきます。カラーやパーマなど、その要望に応え、魅力的に仕立て上げる。帰るころにはお客様の顔はパッと明るくなる。

キャンドルを営んでいるのは鶴輪直也さん。宮崎県延岡市で生まれた直也さんは、小学2年生のとき都農町へやってきました。18歳まで町内で暮らし、高校卒業後は県外の専門学校で美容師資格を取得。その後は鹿児島県の美容室で働き、2008年ごろ都農町へUターン。のちにキャンドルを開業します。
直也さんは美容師以外にもオーダースーツの販売をしたり養鶏業に取り組んだり、さらにはDJの顔を持つなど、業種を問わず興味の赴くままに複数の仕事をこなしています。
「今、興味があるものと問われれば『全部』と答えるでしょうね。具体性を欠くように聞こえるけれど、自分のなかでは辻褄の合っていること。やってみたいと思ったことを実現できるまで考え抜く。その過程が楽しいんです」
実際に、現在構想していることを話す直也さんの目は輝き、生き生きとしていました。
「今後もおもしろいことが起きる予感がする」
そう話す直也さんはどのような人生を歩んできたのでしょうか。
直也さんは美容師以外にもオーダースーツの販売をしたり養鶏業に取り組んだり、さらにはDJの顔を持つなど、業種を問わず興味の赴くままに複数の仕事をこなしています。
「今、興味があるものと問われれば『全部』と答えるでしょうね。具体性を欠くように聞こえるけれど、自分のなかでは辻褄の合っていること。やってみたいと思ったことを実現できるまで考え抜く。その過程が楽しいんです」
実際に、現在構想していることを話す直也さんの目は輝き、生き生きとしていました。
「今後もおもしろいことが起きる予感がする」
そう話す直也さんはどのような人生を歩んできたのでしょうか。
成り行きをすべて武器に変えていく

直也さんは専門学校を卒業後、鹿児島県の美容室に就職します。約2年、最初の職場に勤めたあと、より成長したいという思いから以前より誘いのあった別の美容室へ転職。その時代の直也さんは刺激的な毎日を過ごしていました。
本業の傍ら、イベントを立ち上げるとともに自身もDJとして精力的に活動。相当な盛り上がりを見せていたようです。美容室のオーナーや店長もイベントを運営していることは知っていて、直也さんには理解を示し「じゃんじゃんやりなさい」と応援してくれたといいます。
むしろ、美容師とイベント運営の二足のわらじは相乗効果を生み、両方の集客に貢献していました。美容師は若者の離職率の高い職業ですが「自由にやらせてもらえたからこそ自分は辞めなかった」と当時を振り返ります。
充実した日々を送るなか、結婚と子どもの誕生を受け、環境を変えようと都農町へ帰ることを決めます。そのとき直也さんは28歳。
「都農にいたころは都会への憧れが強かったけれど、県外へ出るからこそ見えてくる都農の良さもありました」
本業の傍ら、イベントを立ち上げるとともに自身もDJとして精力的に活動。相当な盛り上がりを見せていたようです。美容室のオーナーや店長もイベントを運営していることは知っていて、直也さんには理解を示し「じゃんじゃんやりなさい」と応援してくれたといいます。
むしろ、美容師とイベント運営の二足のわらじは相乗効果を生み、両方の集客に貢献していました。美容師は若者の離職率の高い職業ですが「自由にやらせてもらえたからこそ自分は辞めなかった」と当時を振り返ります。
充実した日々を送るなか、結婚と子どもの誕生を受け、環境を変えようと都農町へ帰ることを決めます。そのとき直也さんは28歳。
「都農にいたころは都会への憧れが強かったけれど、県外へ出るからこそ見えてくる都農の良さもありました」

「美容師からは離れようと思っていた」と帰郷後は食肉加工会社で働きはじめました。以前の職場とは異なり、一つの空間で多くの人たちと一緒に働くことの新鮮さ、楽しさを味わう日々。ずっと働き続けよう、そう思った矢先の2010年、都農町をはじめ宮崎県内の畜産業に大打撃を与えた口蹄疫が発生します。
直也さんは突然の解雇。「美容室を建てるしかない」と奮起し、自分で回せる範囲の小さな美容室を目指しキャンドルをオープンさせました。
直也さんは突然の解雇。「美容室を建てるしかない」と奮起し、自分で回せる範囲の小さな美容室を目指しキャンドルをオープンさせました。
気持ちに忠実に「日常を愉しむ」

(「忙しくて子どもをおんぶしながらカットしたこともありますよ」と笑う直也さん)
一度は離れた美容師ですが、戻ってみることで気づいた魅力もあるといいます。
「何気ない会話だとしても、美容師の発言はお客様に影響を与えやすいんです。お客様は普段あまり口に出せないことを吐き出し、それを受けて深い話に発展することもある。一対一でじっくり話をするので説得力が生まれるみたいです。それに気づけたから、今でも美容師を続けています」
店舗営業のほかに、スタイリスト仲間たちと「JOB × HAIR」というプロジェクトを実施。「職業をクリエイティブにする」というコンセプトのもと、地元の農家、銀行員、保育士など市井の人々を被写体とした作品撮りを行いました。
「何気ない会話だとしても、美容師の発言はお客様に影響を与えやすいんです。お客様は普段あまり口に出せないことを吐き出し、それを受けて深い話に発展することもある。一対一でじっくり話をするので説得力が生まれるみたいです。それに気づけたから、今でも美容師を続けています」
店舗営業のほかに、スタイリスト仲間たちと「JOB × HAIR」というプロジェクトを実施。「職業をクリエイティブにする」というコンセプトのもと、地元の農家、銀行員、保育士など市井の人々を被写体とした作品撮りを行いました。

(Webに掲載された作品の一例)
また、自分のためにつくったことがきっかけのオーダースーツブランド「nitroF」をはじめるなど、さまざまな手段を用いて「日常を愉しむ」ことを発信しています。
近年はこれまでと大きく分野の異なるブロイラーに挑戦。叔父の養鶏を手伝ったことをきっかけに「おもしろさに気づいてしまった」という直也さんは、自分でも養鶏場を立ち上げました。
近年はこれまでと大きく分野の異なるブロイラーに挑戦。叔父の養鶏を手伝ったことをきっかけに「おもしろさに気づいてしまった」という直也さんは、自分でも養鶏場を立ち上げました。

(養鶏に取り組むときは機能的な服装で|写真提供:キャンドル)
「美容師は体力勝負なところもあり、高齢になったとき元気にハサミを持っていられるかわかりません。それに対して養鶏は機械化が進んでいるため、80歳になっても続けられます。今後はこの2つの仕事をバランス良く営んでいきたいですね」
「人の手を借りつつ、イメージできる物事を形にしていきたい」と話す直也さん。「日常の愉しみ」方はまだまだ増えていきそうです。
「人の手を借りつつ、イメージできる物事を形にしていきたい」と話す直也さん。「日常の愉しみ」方はまだまだ増えていきそうです。
【美容室キャンドル】
〒889-1201
宮崎県児湯郡都農町川北14817-1
営業時間:9:00 ~ 20:00(定休:火曜)
TEL:0983-25-1010
〒889-1201
宮崎県児湯郡都農町川北14817-1
営業時間:9:00 ~ 20:00(定休:火曜)
TEL:0983-25-1010