#仕事#暮らしのこと
執着せずフラットでいれば、どんな“自分”にもなれる
2023.05.31
いろんな土地へ行っても、いろんなことをしてても、自分のなかに軸があれば大丈夫。物事に動じず、一つのことに執着せず、フラットな態度でいれば、あらゆる局面も乗り越えることができる。決して“力強く”はないかもしれない。けれど、ささやかでしなやかな強さを内に秘める。そんな方と出会いました。
スポーツを通じて地域を巡る
大寒波が日本列島を襲った2023年の1月末。南国宮崎も例外なく厳しい寒さに見舞われ、都農町の平野部でも雪が舞うなど、温かいイメージからはほど遠い冬景色の広がった一週間。寒波を抜けた雲一つない快晴日、国道10号線沿いにある「一般社団法人ツノスポーツコミッション」の拠点施設を訪れました。
迎えていただいたのは法人の代表理事を務める石原英明さん。その役職名とは裏腹に、物腰の柔らかい穏やかな印象。
迎えていただいたのは法人の代表理事を務める石原英明さん。その役職名とは裏腹に、物腰の柔らかい穏やかな印象。
石原さんは岐阜県の出身。ツノスポーツコミッションの設立に伴い、2019年4月から都農町で暮らしています。都農町へやって来るまで、石原さんは岐阜県、長崎県、鹿児島県と各地域で暮らしつつ、それら地元のサッカー・スポーツクラブの運営に関わってきました。岐阜時代に培った人脈と縁から、スポーツによるまちづくりを目指すツノスポーツコミッションの立ち上げメンバーとして声がかかり、移住するに至ります。
石原さんがスポーツ業界に入るきっかけは高校時代にありました。大学受験を控え、進路に相当悩んだすえに出てきた「スポーツを勉強したい」という答え。当時はスポーツについてあらゆる側面から専門的に教える大学は少なく、選択肢が限られているなかで早稲田大学へ進学します。スポーツ経営学や組織論などを学び、さらには大学院へ進学し専門的な研究にも及んだことでスポーツで影響力のある仕事に就きたいと考えるようになります。故郷である岐阜での就職も念頭にあったことで、その後は地元のサッカークラブ・FC岐阜(株式会社岐阜フットボールクラブ)へと当時異例の新卒入社。ここから石原さんのキャリアがはじまっていくのでした。
石原さんがスポーツ業界に入るきっかけは高校時代にありました。大学受験を控え、進路に相当悩んだすえに出てきた「スポーツを勉強したい」という答え。当時はスポーツについてあらゆる側面から専門的に教える大学は少なく、選択肢が限られているなかで早稲田大学へ進学します。スポーツ経営学や組織論などを学び、さらには大学院へ進学し専門的な研究にも及んだことでスポーツで影響力のある仕事に就きたいと考えるようになります。故郷である岐阜での就職も念頭にあったことで、その後は地元のサッカークラブ・FC岐阜(株式会社岐阜フットボールクラブ)へと当時異例の新卒入社。ここから石原さんのキャリアがはじまっていくのでした。
スポーツの概念を幅広く捉える
これまで複数のスポーツクラブで働いていた石原さん。どの土地、どの組織においても調整役になることが多かったといいます。
「スポーツは興行的にみると喜怒哀楽を感じさせて人を惹きつけるところがあります。それもあり、業界的には選手も裏側を担う運営スタッフも感情豊かな人が集まりやすいかもしれません。僕自身も、もともとは感情の波が結構あるほうですが、割と冷静でいたいというか、波が均一になるようフラットな姿勢を意識しているところもあります。物事を俯瞰していたいといいましょうか。それって、スポーツの世界では向いていないのかもしれませんが、逆にレアな人間でもあったんでしょうね。聞き役になったり、組織の課題解決役に回ることがよくあります」
「スポーツは興行的にみると喜怒哀楽を感じさせて人を惹きつけるところがあります。それもあり、業界的には選手も裏側を担う運営スタッフも感情豊かな人が集まりやすいかもしれません。僕自身も、もともとは感情の波が結構あるほうですが、割と冷静でいたいというか、波が均一になるようフラットな姿勢を意識しているところもあります。物事を俯瞰していたいといいましょうか。それって、スポーツの世界では向いていないのかもしれませんが、逆にレアな人間でもあったんでしょうね。聞き役になったり、組織の課題解決役に回ることがよくあります」
そんな石原さんは「スポーツ」の概念を幅広く捉えています。
「僕、スポーツ好きではあるのですが、一般的にいわれるスポーツ好きとは少し異なるかもしれません。僕が好きというときのスポーツは『試合』や『競技』ではなくて、子どものとき友だちと公園でやっていたサッカーや野球のイメージなんです。強くなることが目的になる前の、純粋に楽しんでいた『遊び』の感覚。厳格なルールのなかでやっているわけではなく、状況に応じてルールも変わる。その柔軟性、そして友だちとただただ楽しむっていうその感覚を持って育っていくって、すごく大事だと思っています」
「僕、スポーツ好きではあるのですが、一般的にいわれるスポーツ好きとは少し異なるかもしれません。僕が好きというときのスポーツは『試合』や『競技』ではなくて、子どものとき友だちと公園でやっていたサッカーや野球のイメージなんです。強くなることが目的になる前の、純粋に楽しんでいた『遊び』の感覚。厳格なルールのなかでやっているわけではなく、状況に応じてルールも変わる。その柔軟性、そして友だちとただただ楽しむっていうその感覚を持って育っていくって、すごく大事だと思っています」
競技として同一条件のもと、試合が行われることはもちろん大事。それがサッカーの試合なら、ルールを守ることで対戦するお互いが最高のパフォーマンスを発揮でき、観客も魅了される。ただ、障がい者スポーツやいろんな年齢幅の人たちが同じ場面でスポーツをするときは、ルールを柔軟に調整していく必要がある。先の遊びの感覚はそういった場面でも重要となるようです。
一つのことに執着せず、フラットな態度で
石原さんの考え方の中心には「誰と一緒にそれをするのか」が大きく関わっていました。
「子どものころからスポーツをしてて楽しいと感じるときって、だいたい仲の良い友だちが一緒にいたんですね。誰とやっても同じではないという。働き方も同じようなところがありますね。岐阜、長崎、鹿児島、宮崎の都農と、いろんな地域で暮らし、働いてきましたが、実はどれもFC岐阜で知り合った盟友たちが関わっていて。彼らに誘われて、彼らと一緒に仕事ができれば僕はどの土地でも、どんな職種でもいいと思っています」
「子どものころからスポーツをしてて楽しいと感じるときって、だいたい仲の良い友だちが一緒にいたんですね。誰とやっても同じではないという。働き方も同じようなところがありますね。岐阜、長崎、鹿児島、宮崎の都農と、いろんな地域で暮らし、働いてきましたが、実はどれもFC岐阜で知り合った盟友たちが関わっていて。彼らに誘われて、彼らと一緒に仕事ができれば僕はどの土地でも、どんな職種でもいいと思っています」
たまたまスポーツ関係の仕事が連なってきただけで、意外にも強いこだわりはないと話す石原さん。一つのことに執着せず、フラットな態度でいる。その姿勢は自らの肩書きや生き方にも影響しています。
「自分はツノスポーツコミッションの代表という肩書きをいただいていますが、その『役職名』だけで見られるのも違和感がありますね。周りの方々と同じように、いろんな役割があるなかでの『代表』という面があるだけで。この肩書きを持つ僕は、あくまで自分の一側面でしかなく、いろんな顔を持つ自分がいます。だから、仕事だけで、仕事の役割や肩書きだけで、自分を規定しないほうがいいですね。それだけだとバランスが悪くなる。それもあり、昨年から自分の大好きな漫画『キン肉マン』と、現実の要素と照らし合わせながら考察する『超人社会学』をはじめました。半ば冗談、半ば真面目に。私人として、研究者としての自分にも熱中していたいですね。究極的にはキン肉マンのようになりたいです」
「自分はツノスポーツコミッションの代表という肩書きをいただいていますが、その『役職名』だけで見られるのも違和感がありますね。周りの方々と同じように、いろんな役割があるなかでの『代表』という面があるだけで。この肩書きを持つ僕は、あくまで自分の一側面でしかなく、いろんな顔を持つ自分がいます。だから、仕事だけで、仕事の役割や肩書きだけで、自分を規定しないほうがいいですね。それだけだとバランスが悪くなる。それもあり、昨年から自分の大好きな漫画『キン肉マン』と、現実の要素と照らし合わせながら考察する『超人社会学』をはじめました。半ば冗談、半ば真面目に。私人として、研究者としての自分にも熱中していたいですね。究極的にはキン肉マンのようになりたいです」
【一般社団法人ツノスポーツコミッション】
〒889-1201
宮崎県児湯郡都農町大字川北1142-1
TEL:0983-32-0137
FAX:0983-32-0138
Instagram:@tsuno_oko
Twitter:@tsuno_oko
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